シロひよblog

興味があることを適当に。

どこかにマイルで八丈島

迫りくる有効期限

ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。 淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。(鴨長明方丈記』)

川を流れる水も淀みに浮かぶ泡も、ずっと同じであり続けるものではない。

それは飛行機のマイルも同じ。

出張が多かった時に大量に溜まったマイルも気がつけば3年が経とうとしていた。 9,000マイルのANAマイルの有効期限がもうすぐ切れるのでどうしようかと悩んでいたところ、ちょうど良いタイミングで「トクたびマイル」の行き先が発表された。

トクたびマイル

片道ひとり当たり3,000マイルのトクたびマイル。

「片雲の風に誘はれて漂泊の思ひやまず、海岸にさすら」いたくなる芭蕉の気持ちもよく分かる。

行き先は飛行距離の佐賀、離島の八丈島で迷った末に、東京から一番近い南国・八丈島に決定。2人分往復で12,000マイル、有効期限間近のマイルも無事に利用できそうだ。

出発は翌日。まさに、八丈島旅行は突然に、である。

八丈島の魅力

八丈島の魅力は山と海。八丈富士への山登りもできれば、海ではダイビングやザトウクジラのホエールウォッチングもできるらしい。

南の島らしくリゾートホテルもあり、非日常感が楽しめそう。出発当日にレンタカーと初日の夜ごはんのみ予約して空港へ向かった。

いざ八丈島

15:50に羽田空港を発って1時間弱、空港で待機してた時間の方が長いんじゃ、というくらいあっという間に八丈島空港に到着した。

八丈島空港に到着

底土海水浴場

早速予約しておいたレンタカーを借りて市内を走ること5分、海に行き着いた。火山灰が積み重なったのか、溶岩が砕かれて運ばれたのか、砂浜の砂は黒く火山島っぽさを表していた。海をしばし眺めるもクジラはいなかった。

底土海水浴場 | 八丈島観光協会

底土海水浴場

八丈島郷土料理 梁山泊

軽く市内をドライブしていい時間になったので、これまた予約しておいた居酒屋梁山泊に向かった。

tabelog.com

八丈島名物の明日葉、島寿司、ジャージー牛乳を使ったグラタン、そしてメニューに見つけたカメのモツ煮込み。島の味を堪能した。カメのワイルドみが強烈だった。

島寿司@梁山泊

カメの煮込み@梁山泊

リードパークリゾート 八丈島

宿は八丈富士の麓にあり海を望むリゾート風ホテルリードパークリゾート八丈島。2015年開業らしいが、建物はもっと古く一昔前のリゾートホテルといった感じ。

東京都 八丈島ホテル リードパークリゾート ≪直営・公式ホームページ≫

幸い天気が良く雲も少なかったので、夜は星空鑑賞会に参加。空気が澄んでいるのでオリオン座、北斗七星、冬の大三角がよく見えた。月が明るくて天の川が見れなかったものの、天体望遠鏡で覗いた月はクレーターまではっきりで感動した。

ホテルの大浴場の露天風呂からは海が一望。温泉ではないものの、景色を楽しむため夜と朝の2回入った。ここでもクジラは現れなかった。

f:id:dubnium:20200307092709j:plain
部屋から見た海

翌朝の朝食はホテルのバイキングレストランでいただく。感染症予防のため用意されたプレートモーニング。名物のフレンチトーストもしっかり食べた。

f:id:dubnium:20200307084230j:plain
朝食@リードパークリゾート

長友ロード

2日目のメインは八丈富士の山登り。車で登山口まで向かう途中にサッカーの長友が走り込んだという坂道長友ロードがあった。上りきった先に平愛梨像があったりして。

もうすぐW杯開幕! 八丈島には「長友ロード」あり | 八丈島観光協会blog

f:id:dubnium:20200307095719j:plain
長友ロードと石碑

八丈富士

というわけで登山口に到着したので登山開始。触れ込みでは山頂まで50分+15分。いざ山頂へ。

。。

。。

f:id:dubnium:20200307102544j:plain
登山道@八丈富士

傾斜が急、そして果てのない登り坂(当たり前)。めちゃくちゃきつい。登っても登っても続く階段に心が折れそうになりながら、すれ違う人、追い越していく人に励ましてもらいながらなんとかと歩を進めた。

歩き続けること50分。ようやく頂上付近の広場に到着。八丈富士は休火山で、山の頂上は火口が窪んでいる。その火口の周囲が一段高くなってお鉢と呼ばれ1周を歩くことができる。

お鉢巡りで50分、お鉢の途中にある山の頂上まで15分。迷わず頂上を目指すことにした。

f:id:dubnium:20200307111321j:plain
八丈富士の火口

15分で着くと思って歩くこと30分。ぐずりながらもようやく頂上に到達した。山の東側から登ったのでここで初めて西側の海が見える。あー登ってよかった。クジラはいないようだ。

f:id:dubnium:20200307112622j:plain
八丈富士山頂

八丈富士/東京の観光公式サイトGO TOKYO

ふれあい牧場

山を下りたら休憩がてら登山口近くにあるふれあい牧場に寄ってみた。牛を見るだけと思ってそんなに期待してなかったけど、牧場のおじさんがよくしてくれて思いがけず牛とふれあえた。いい思い出。おじさんに感謝。

f:id:dubnium:20200307123319j:plain
ももこ@ふれあい牧場

ふれあい牧場

藍ヶ江水産 地魚干物食堂

昼ごはんは島のほぼ中央にある藍ヶ江水産でサバの味醂干し定食を注文。なんと味噌汁の具材はカメ。昨夜のモツ煮込みと違って今度は腕(足?)ごとゴロッと。この見た目と味はさすがに。。

tabelog.com

f:id:dubnium:20200307133602j:plain
漬け丼定食、横の味噌汁はカメ入り@藍ヶ江水産

八丈島ジャージーカフェ

お口直しに近くにある八丈島ジャージーカフェへ。ジャージーミルクと明日葉、ジャージーヨーグルトを購入。食べてみるとこれは絶品。八丈島の名物はジャージーと明日葉で間違いない。(カメではない)

tabelog.com

末吉温泉 みはらしの湯

飛行機の時間までもう少しあったので、旅の最後に海が見える温泉みはらしの湯を目指した。島の南側にあり海を一望できる露天風呂。クジラをみるための絶好の立地、まさに男のロマン

。。。

。。。

。。。

目を凝らすこと30分。尾ビレ一つ現れなかった。

末吉温泉「みはらしの湯」 | 八丈島観光協会

ザトウクジラ

帰り道、動画で気分を味わった。

「あれ?こんなに頻繁に潮あがるものなの?」「沖合でしぶき上がってたのひょっとしてこれ?」「これなら見たよね?」確かに沖合で不自然にしぶきが上がってたのは見た。

そうか、クジラは見れたんだ。

気軽に行ける非日常

出発前日に決まった八丈島1泊2日旅行。

島の料理を食べ、星を眺め、山に登り、温泉に浸かる。沖縄ほどの南国気分はないけど東京にこんなに自然に囲まれた非日常があったなんて。八丈島よかった、またいつか行けたらいいな。

次はカメと遭遇しないことを願って。